軽井沢で毎年行っている伝統的なちょっと不思議な行事があります。その行事「十日夜(とおかんや)」と「どんど焼き」をご紹介します。軽井沢に行く時期があえば見ることができるかもしれません。
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十日夜(とおかんや)
十日夜は、旧暦の10月10日に行う収穫祭です。稲の収穫を感謝し、その藁で作った「わらでっぽう」で地面を叩くことで地面のモグラを追い払うと云われています。また、神様を励まし、悪い者を追い払うとも云われています。
「わらでっぽう」ってどんなの?
「わらでっぽう」とは上記の写真のようなものです。これを持って塩沢内を練り歩きます。輪っかになっている所を持って、地面に叩きつけるために振り下ろします。10回連続で行うのでそれなりに疲れます。
十日夜はいつ頃の行事でどこで見れる?
十日夜は、毎年11月10日の夕方から夜にかけて小学生の子供達が塩沢の公民館に集まります。いくつかのグループを編成して担当する家々やお店を決めます。事前に作った「わらでっぽう」を持って塩沢地区の各家々やお店を訪ねていきます。家(お店)の人に挨拶して、玄関前で十日夜の歌(以下が歌です)を歌いながら「わらでっぽう」でリズミカルに地面をぶっ叩きます。
とおかんやはよいもんだ ♪
あさぎりそばにひるだんご ♪
ゆうもちくっちゃぶったたけ ♪
それ いち に さん し ご ♪
ろく しち はち きゅう じゅう ♪
歌が終わると家(お店)の人からの感謝として、おこずかいがもらえます。一通り回り終えたら公民館に戻って子供たちみんなでおこずかいを山分けします。この時、学年によって金額が異なります。高学年の方が高く、低学年は低いです。
子供たちにとってはおこずかいがもらえるので嬉しい行事でした。当時、歌の意味は理解せず、ちょっと恥ずかしそうに歌ってましたが。。。11月の軽井沢は空気がとても澄んでいるので、家々を回る際に見る星空がとても奇麗でした。北斗七星や白鳥座などが良く見えたと思います。ちなみに、家(お店)の人が出すおこずかいは金額は決まってなく、気前の良い所は皆に人気でした。私の時代は「かぎもとや塩沢店」が素晴らしかった。
十日夜は塩沢で現在も続いている行事です。
時期:毎年11月10日の夕方から夜頃
場所:塩沢(公民館から周辺の家々へ)
どんど焼き
毎年、正月過ぎの10日~15日頃になると「どんど焼き」を行います。「どんど焼き」は、無病息災・五穀豊穣を祈る行事です。
お正月(年末だったかな?)に、食紅を使って色を付けた粉を練り、赤、緑、黄色、白などの様々な色の「まゆ玉」を作ります。「まゆ玉」は水滴みたいな形にします。それを木の枝の先にぶっ挿していきます。それをしばらく飾って乾燥させてカチカチにします。
正月が過ぎて、10日~15日頃に「どんど焼き」を行います。正月の松飾りやしめ縄、だるま、書初めなどを各家から持ち寄ったり、小学生の子供達が取りに行ったりしてかき集めます(この時、おこずかいがもらえます)。それを一ヵ所に積み重ねて燃やします。その炎で木の枝に挿した「まゆ玉」を焼いて、少し焦げ目が付いてきた「まゆ玉」を食べます。この焼いた「まゆ玉」を食べると1年間は健康でいられると云われています。
ちょっと焦げた「まゆ玉」は、周りがカリッと、中がモチモチの食感で、意外とおいしいです。ただ、焼くときは炎にかざすので、結構、暑いです。無病息災を祈って食べましょう!
時期:毎年1月10~15日付近
場所:塩沢、旧軽井沢、追分など
なお、「どんど焼き」は日本全国で行われている行事のようですね。