「格安SIM」って言うけれど一体何者?そもそも「SIM」って何のこと?そう思ったことはありませんか?ここでは「格安SIM」について簡単に説明していきます。
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携帯電話の通信事業者には2つの種類がある
携帯電話の通信事業者は、大きく分けて「移動体通信事業者」と「仮想移動体通信事業者」があります。これらの違いは何なのか説明していきます。
1つ目の「移動体通信事業者」とは?
日本では、ドコモ、au、ソフトバンク の大手3社がとても有名だと思います。この3社は物理的な無線通信回線設備を自社で保有して移動体通信サービスを行っています。このように自社で無線通信回線設備を保有している通信事業者の事を「移動体通信事業者(Mobile Network Operator)」、略して「MNO」と呼びます。
2つ目の「仮想移動体通信事業者」とは?
MNOに対して、無線通信回線設備を自社で持たず移動体通信サービスを行う事業者があります。これら通信事業者はMNOの無線通信回線設備を利用(借用)して移動体通信サービスを行っています。この通信事業者の事を「仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator)」、略して「MVNO」と呼びます。「MVNO」の通信事業者は「NVO」の通信事業者に比べて安価な料金プランで移動体通信サービスを提供しています。「格安SIM」と呼ばれているのは「MVNO」の通信事業者の移動体通信サービスの事です。
MNOとMVNOについてまとめると
「MNO」は、自社の無線通信回線設備でサービスしている移動体通信事業者のことです。「MVNO」は無線通信回線設備を借りてサービスしている移動体通信事業者のことです。では、どのような会社があるのでしょうか?以下の表にまとめてみました。
種別 | 通信事業者 | 無線通信回線設備 |
---|---|---|
MNO | ドコモ | ドコモ(自社) |
MNO | au | au(自社) |
MNO | ソフトバンク | ソフトバンク(自社) |
MNO | Y!mobile | ソフトバンク(自社) |
MVNO | 楽天モバイル | ドコモ |
MVNO | OCNモバイルONE | ドコモ |
MVNO | mineo | ドコモ、au |
MVNO | IIJ mio | ドコモ |
MVNO | BIGLOBE SIM | ドコモ |
MVNO | FREETEL SIM | ドコモ |
MVNO | DMM mobile | ドコモ |
MVNO | UQ mobile | au |
MVNO | イオンモバイル | ドコモ |
格安SIMの「SIM」って何?
一昔前までは、携帯端末本体のみを購入すれば音声通話やメール、ブラウジング等が行えていました。この頃は、電話番号等の固有情報は携帯端末本体が持っていました。このように携帯端末本体が情報を持っている端末のことを「ROM機」と呼びます。
それから携帯の技術が進歩し、この固有情報を外出しする事を考えました。この外だしした固有情報を持つのがSIMカード(「Subscriber Identity Module」の略)です。SIMカードは、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)と呼ばれる固有番号が割り当てられており、この番号に対して移動体通信事業者が電話番号等を割り振ります。それにより、音声通話やメール、ブラウジング等が行えるようになります。
要するに、「携帯端末本体(スマホ等)」と「SIMカード」の組み合わせることで、携帯電話として利用できるようになります。ちょっと例えが悪いかもしれませんが、「テレビ本体」と「B-CASカード」のような関係でしょうか?「テレビ本体」に「B-CASカード」を挿さないと「地デジ」は見れません。「テレビ本体」に「DVDレコーダー」を繋げばDVDは見れます。ここでいう「テレビ本体」が「携帯端末本体(スマホ等)」、「B-CASカード」が「SIMカード」、「DVDレコーダー」が「WiFiルータ」のようなイメージです。
SIMカードが固有情報を持っていますので、別の携帯端末本体(スマホなど)に変えたい場合、基本的にはSIMカードを新しい携帯端末本体(スマホなど)に差し替えるだけで、同じ電話番号での利用や、メールやブラウジングを行うことができます。利用料はSIMカードの契約者に請求されます。ただし、携帯端末本体は「SIMフリー」機であることが条件です(ドコモで購入したスマホならば、ドコモネットワークを利用する格安SIM(「MNO」がドコモの「MVNO」)ならばそのまま使うことができます)。現在ご使用のケータイ端末本体が「SIMフリー」機か否かを確認したい場合は、以下の各移動体通信事業者(ドコモ、au、ソフトバンク)の説明をご確認ください。
「MVNO」は、「MNO」に比べて安価な料金プランでSIMカードを提供していることから「格安SIM」と呼ばれています。
SIMカードのサイズには注意!
SIMカードは、「標準SIM」、「マイクロSIM」、「nanoSIM」の3種類のサイズがあります。最近は「nanoSIM」が主流ですが、スマホなどの携帯端末本体の種類によって異なります。例えば、iPhoneであれば「nanoSIM」です。携帯端末本体の説明を確認して間違えないSIMカードを知りましょう。
よく耳にするLTE(4G)って何?
LTEとは「Long Term Evolution」の略で、第4世代(4G)の無線通信規格であり、標準化団体「3GPP」によって仕様が定められています。パケット通信専用の無線規格です。当然ですが、第3世代(3G)と比較してデータ通信速度が速くなりました。
キャリアアグリゲーションって何だ?
少し前までCMで聞いたことがある言葉だと思います。これは複数の周波数帯の電波を同時に使うことで、一気に大量のデータ通信を行えるようにしたものです。当初は1つの周波数帯の電波でデータ通信していましたが、キャリアアグリゲーションは複数の電波を束ねることで実現しています。
例えるならば、東名高速道路をイメージしてください。昔は1本の高速道路でしたが、今は第2東名高速道路ができ、より多くの車が走行できるようになりました。「第1東名高速道路」が「周波数1の電波」、「第2東名高速道路」が「周波数2の電波」、「車」が「パケットデータ」とお考えいただければ分かりやすいと思います。
VoLTE(ボルテ)とは?
当初はLTEで音声通話はできませんでした。音声通話する際は、第3世代(3G)の回線に切り替えて行っていました。これをハンドダウンと呼びます。ドコモ、ソフトバンクの無線通信回線設備の場合は「UMTS」へ、auの場合は「CDMA2000」へ、携帯の無線を3G回線へ切り替えて音声通話を行っていました。
VoLTEは「Voice over LTE」の略であり、名のとおりLTE上で音声通話が行える技術です。データ通信回線の一周波数帯域を音声通話用に割り当てることで実現しています。これにより、音声通話時に3G回線へ切り替える必要が無くなりました。しばらくは3G回線も運用していると思いますが、今後を考えて「VoLTE」対応の機種にするのが良いでしょう。
LTE(4G)対応のケータイ端末を選ぼう!
ケータイ端末の無線技術は日々進歩しています。現在の最新機種は「LTE(4G)」対応機となっていますが、一昔前の機種は「3G」対応のみで「LTE(4G)」非対応のものもあります。携帯端末(スマホなど)を選ぶ際はLTE対応の機種が良いでしょう。